こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。

「SFCって、なんだか面白い人が多いらしい」 「自由で、変わったことができる大学なんでしょ?」

そんな漠然としたイメージを抱いている高校生や受験生は多いのではないでしょうか。そして、そのイメージの源泉には、社会の第一線で活躍する数多くの起業家たちの存在があります。

「ベンチャー起業家王国」とも呼ばれる慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)。

今回ご紹介する『慶應SFCの起業家たち』は、そのSFCがなぜ革新的な人材を生み出し続けるのか、その秘密を解き明かす一冊です。

単なる大学紹介や成功物語ではありません。SFCという場所の「魂」に触れ、未来へのヒントを得たい全ての人、特にSFCを志すあなたにこそ読んでほしい、必読のバイブルです。

本書は、SFCが生んだ数多くの起業家の中から、特に「市場を拓く」「社会を変える」という2つの軸で8人を厳選し、ケーススタディ形式でその軌跡を深く掘り下げています。

第1部 市場を拓く

第2部 社会を変える

彼らの物語は、単なるサクセスストーリーではありません。事業を立ち上げる中での苦悩、葛藤、そして大きな決断。その生々しいプロセスを通して、彼らがSFCで何を学び、どのように社会の問題を発見し、解決への一歩を踏み出していったのかが、リアルに描かれています。

私がこの本を読んで最も感じたのは、「SFCの神髄は"問題発見・問題解決"にある」という、よく語られる言葉の本当の意味です。

登場する8人の起業家たちに共通しているのは、誰もが見過ごしていたような社会の「不」や「違和感」を見つけ出し、「これはおかしい」「もっとこうあるべきだ」という強い想いを原動力に行動している点です。

彼らは、ゼロから何かを生み出した魔法使いではありません。目の前にある課題を徹底的に見つめ、解決策を考え、周囲を巻き込みながら、ただひたすらに実践し続けた「実践者」なのです。

そして、本書の後半に収録されている熊坂賢次、國領二郎、村井純といったSFCを創り上げた名物教授陣の言葉が、その背景にあるSFCの哲学を鮮やかに浮かび上がらせます。「未来からの留学生」というコンセプトが、なぜこのような人材を育むのか。その答えがここにあります。

この本は、経営学のテキストでありながら、SFCという教育機関の思想を解き明かすドキュメンタリーでもあるのです。

もしあなたがSFCへの進学を少しでも考えているなら、この本は他のどんな参考書よりも価値のある一冊になるかもしれません。

1. SFCの「リアル」がわかる AO入試の志望理由書で「SFCの自由な学風に惹かれました」と書く前に、この本を読んでみてください。SFCの「自由」とは、放任ではありません。自ら問題を見つけ、解決のために行動する者に与えられる「責任ある自由」です。本書に登場する先輩たちの姿を通して、自分が本当にSFCという環境にフィットする人間なのか、何をしたいのかを深く考えるきっかけになるはずです。

2. 志望理由書や面接の「解像度」が劇的に上がる 「SFCで何をしたいか」という問いに、具体的に答えられますか? 例えば、カタリバの今村さんの物語を読めば、「教育格差」という社会課題に対して、NPOというアプローチで何ができるのか、リアルなイメージが湧いてきます。先輩たちの実践例は、あなたの問題意識を具体的なプロジェクトへと昇華させるための、最高のヒント集になります。

3. SFC入学後の「未来の自分」が描ける この本は、SFCのゴールではなく、スタート地点を示してくれます。SFCという場所で4年間を過ごした先に、どのような未来が待っているのか。社会の課題解決に挑む先輩たちの姿は、あなたの大学生活、そしてその先のキャリアを考える上での力強い「羅針盤」となるでしょう。

『慶應SFCの起業家たち』は、単なる起業家の成功譚でも、大学のパンフレットでもありません。SFCというユニークな場所で育まれた「問題解決の精神」が、いかにして社会を動かす力になるのかを証明する、生きた事例集です。

SFCは、おもしろい。その言葉の裏にある、厳しくも刺激的な実践の世界を、ぜひ本書で体感してみてください。あなたの未来を変える一冊になるかもしれません。


KOSSUN教育ラボは、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の総合型選抜(AO入試)に特化した対策を行っています。受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。

※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。