
- 0.1. 1. SFCの「研究会」— なぜ“ただのゼミ”ではないのか?
- 0.1.1. ① 社会と直結した「プロジェクト実践の場」
- 0.1.2. ② 学年を問わない「研究者のコミュニティ」
- 0.1.3. ③ 4年間の集大成「卒業プロジェクト」への道
- 0.2. 2. どんな研究会があるのか?
- 0.2.1. カテゴリー1:テクノロジーで未来を実装する
- 0.2.2. カテゴリー2:ビジネス・社会のデザインを探求する
- 0.2.3. カテゴリー3:グローバルな課題に挑む
- 0.2.4. カテゴリー4:建築・都市・地域をデザインする
- 0.2.5. カテゴリー5:生命・健康・身体の謎に迫る
- 0.2.6. カテゴリー6:人間と文化・コミュニケーションを深く知る
- 0.3. 最後に
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
「慶應SFCの学びの核心は『研究会』にある」——。 SFCについて調べ始めると、誰もが必ずこの言葉にたどり着きます。しかし、多くの人が大学でイメージする「ゼミ」と、SFCの「研究会」は、その目的も熱量も、スケールも全く異なります。
SFCの研究会は、単なる勉強会ではありません。それは、学生が「研究者」として社会と対峙し、未来を創造するためのプロジェクトチームであり、SFCの教育理念そのものを体現する「心臓部」なのです。
この記事では、大学公式サイトの情報を基に、SFCの研究会がなぜ“ただのゼミ”ではないのか、その本質と、そこに広がる無限の知の冒険について徹底的に解説します。
1. SFCの「研究会」— なぜ“ただのゼミ”ではないのか?
SFCの研究会が持つ本質的な特徴は、主に3つのポイントに集約されます。
① 社会と直結した「プロジェクト実践の場」
一般的なゼミが、主に文献研究やディスカッションを通じて専門知識を深める場であるのに対し、SFCの研究会は現実社会の課題に直接挑む「プロジェクト」が活動の中心です。
企業との共同研究や官公庁からの委託研究など、先端的な研究活動が数多く行われています。
学生は、IT企業と共に新しいアプリを開発したり、自治体と協力して地域活性化の政策を立案したり、時には国際機関と連携してグローバルな課題に取り組んだりと、極めて実践的な経験を積むことができます。
② 学年を問わない「研究者のコミュニティ」
SFCでは、教員は学生に一方的な知識伝達を行う「先生」ではなく、共に研究を進める「パートナー」です。
教員と大学院生、学部生は一体となって協働/協同的な研究体制を推進しています。
教員の経験や知見と、学生の若く自由な発想やパワーが融合することで、新たなイノベーションが生まれます。さらに、SFCでは本人の意欲と能力次第で1年生からでも研究会に参加可能です。学年の壁を越え、対等な「研究者」の一員としてコミュニティに参加できる環境は、SFCならではの大きな特徴です。
③ 4年間の集大成「卒業プロジェクト」への道
研究会での活動は、最終的に「卒業プロジェクト」として結実します。これは、単なる卒業論文ではありません。
自らの「未来創造の成果」として、また、自らが未来へ前進するときの「自分自身のプロポーザル」として、卒業プロジェクトを作成します。
それは、SFCでの学びの集大成であると同時に、社会に向けたあなたの「最初の提案書」となるのです。起業プラン、政策提言、ソフトウェア、アート作品など、その形は様々。研究会は、この壮大なゴールに向けて走り続けるための、ベースキャンプの役割を果たします。
2. どんな研究会があるのか?
SFCの研究会の最大の魅力は、その圧倒的な多様性です。ここでは、2024年度に開講されている150以上の研究会の中から、その一部をテーマ別に紹介します。ここから、SFCで探求できる学問の広大さを感じ取ってください。
カテゴリー1:テクノロジーで未来を実装する
AI、自動運転、量子コンピュータ、ロボティクスなど、最先端のテクノロジーを自らの手で創り出し、社会をどう変えていけるかを探求します。
- 代表例:
スマートモビリティ
、ゼロから作るDeep Learning
、AQUA: 量子計算機と量子ネットワーク
、サイバー・フィジカル・ウェルビーイングのための人間中心コンピューティング
カテゴリー2:ビジネス・社会のデザインを探求する
新しい経営戦略、経済や金融の仕組み、そしてより良い社会を創るソーシャルイノベーションまで、社会を動かす「仕組み」をデザインします。
- 代表例:
経営研究
、経済学とデータで読み解く現代社会のリアル
、コーポレートファイナンスとESG経営
、ソーシャルイノベーション
カテゴリー3:グローバルな課題に挑む
国際関係、安全保障、SDGs、地域紛争、多文化共生など、国境を越えて広がる地球規模の課題に多様な視点からアプローチします。
- 代表例:
国際安全保障とグローバルガバナンス
、xSDG
、田中浩一郎研究会(現代中東政治研究)
、日本における「難民・移民」と多文化共生
カテゴリー4:建築・都市・地域をデザインする
建築やランドスケープといった物理的な空間から、そこに住む人々のコミュニティ、持続可能なまちづくりまで、私たちが生きる「場」を豊かにデザインします。
- 代表例:
ランドスケープ研究
、パーティシパトリー建築・都市・コミュニティデザイン
、データドリブンによるスマート都市・地域の構築
、場のチカラ プロジェクト
カテゴリー5:生命・健康・身体の謎に迫る
ゲノム科学や脳科学、スポーツ科学、メンタルヘルスなど、人間という存在の根幹である「生命・健康・身体」の謎を科学的に探求します。
- 代表例:
ゲノム生物学
、身体運動の神経科学
、ヘルスサイエンス
、脳情報の計測と解析
、食とフードサイエンス
カテゴリー6:人間と文化・コミュニケーションを深く知る
言語、歴史、宗教、ジェンダー、教育、アートなど、人間が築き上げてきた文化や社会、そしてコミュニケーションの本質を深く探求します。
- 代表例:
イスラーム研究
、オーラル・ヒストリー―「聞く力」で未知を拓く―
、言語と学習の認知科学
、ジェンダーについて話したい人のための研究会
最後に
SFCの「研究会」は、SFCの教育理念である「問題発見・解決」を実践するための、最も重要で刺激的なプラットフォームです。学生はここで、受け身の学習者から、未来を創造する主体的な研究者へと変貌を遂げます。
どの研究会を選ぶか。それは、SFCでどのような専門性を身につけ、どのような仲間と出会い、どのような4年間を送るかを決定づける、自分自身への大きな問いかけです。ぜひ様々な研究会の扉を叩き、あなたの知的好奇心を最大限に解放できる、最高のチームを見つけてください。
KOSSUN教育ラボは、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の総合型選抜(AO入試)に特化した対策を行っています。受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
西村 成道(にしむら・なるみち)
KOSSUN教育ラボ 副代表。総合型選抜(AO入試)のプロ講師として1,200名以上の塾生をサポート。特に書類選考の通過率は通算96.4%と業界トップを記録。慶應SFCをはじめ、「評定不良」「実績なし」「文章嫌い」からの逆転合格者を毎年輩出。圧倒的な指導力と実績が受験生、保護者の間で話題となり、全国から入塾希望者が殺到している。著書、メディア出演多数。