こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。

「慶應義塾大学SFCでは、一体何を学べるのか?」 「総合政策学部と環境情報学部では、専門分野がどう違うのか?」

SFCを目指す受験生にとって、これは最も基本的かつ重要な問いです。大学公式サイトには、2つの学部にまたがる広大な「研究領域」が示されていますが、その見方にはSFCならではの、とても大切な「お作法」があります。

この記事では、公式サイトの情報を基に、SFCのユニークな研究領域の考え方と、そこに広がる無限の学びの可能性を徹底的に解説します。


まず、SFCの学びを理解する上で最も重要な原則から始めましょう。公式サイトには、次のような極めて重要な注意書きがあります。

なお、ここでの「分野」とは学生や教員が所属する「専攻」「学科」「コース」ではありません。現在の両学部の研究の領域を便宜上わかりやすく束ねた編集上の区分です。SFCの学生は自由にプロジェクトに参加し、結果として自らの専攻分野を創っていきます。

これは、SFCの教育哲学の核心です。つまり、SFCの「研究領域」とは、高校生が大学を選ぶ際にイメージするような固定された「専攻」や「コース」ではないのです。

では何かと言えば、それは広大な知の海を旅するための「地図」や「コンパス」のようなもの。学生は、自らの「これを解決したい」「これを探求したい」という問題意識を道しるべに、この地図を頼りながら、必要な知識やスキルを求めて自由に航海します。そして、その航海の軌跡そのものが、卒業する頃にはあなただけのユニークな「専攻分野」となるのです。


SFCの学びは、大きく2つの学部と、そこに広がる研究領域で構成されています。そして最大のポイントは、学生はこれらの領域を、何の区別もなく自由に行き来できるということです。

それでは、それぞれの領域を具体的に見ていきましょう。


1. 国際戦略の分野

複雑化するグローバル社会を理解し、国境を越える問題や外交・安全保障といった課題に取り組むための戦略的思考を学びます。

2. 言語文化とコミュニケーションの分野

言語は、世界を理解し、人々と繋がるための最も重要なツールです。言語そのものの仕組みから、言語教育、政治や社会におけるコミュニケーションまでを探求します。

3. 社会イノベーションと経営・組織の分野

新しい価値を社会に生み出すための仕組みを学びます。企業の経営戦略やスタートアップ、NPO/NGOの運営、情報社会における新たなコミュニティデザインなどがテーマです。

4. 政策デザインの分野

より良い社会を実現するための政策を、科学的・論理的に立案・評価するための方法論を学びます。経済、財政、立法プロセスなどが含まれます。

5. 総合政策学の方法論の分野

SFCの学問の根幹である「総合政策学」とは何か、その考え方やアプローチ自体を学びます。研究と実践をどう融合させ、社会を変革していくのかを探求します。


【環境情報学部】科学とデザインで未来を実装する5領域

1. 先端情報システムの分野

現代社会の基盤であるインターネットや、あらゆるモノが繋がるユビキタス情報システム、それらを支える計算基盤など、情報社会の未来を創る技術を探求します。

2. 先端領域デザインの分野

デジタルファブリケーション(3Dプリンター等)やアルゴリズミック・デザインといった新しい設計手法から、アートやパフォーマンス、まちづくりまで、既存の枠を超えた新しいデザインの可能性を追求します。

3. 先端生命科学の分野

ゲノム科学やシステムバイオロジーといった最先端の知見を基に、健康、医療、そして環境と生命の関係性までをミクロな視点から探求します。

4. 環境デザインの分野

建築、都市、地域、そして地球まで。様々なスケールで、持続可能な未来の環境をどうデザインしていくのかを、実践的に研究します。

5. 人間環境科学の分野

人間の認知、心理、身体に着目し、より良い環境を科学的に探求します。言語の学習プロセス、メンタルヘルス、社会やコミュニティにおける人間のあり方、身体動作のメカニズムなどがテーマです。


SFCの学びの醍醐味は、これらの領域を自由に組み合わせ、あなただけの専門性を創出できる点にあります。

SFCの「研究領域」は、あなたを閉じ込める「壁」ではなく、あなたの知的好奇心を解き放つための「扉」です。決まったコースをなぞるのではなく、自らの手で学びの地図を描き、誰も踏み入れたことのない知の領域へ冒険に出る。

もしあなたが、そんなスリリングで創造的な学びに魅力を感じるなら、SFCはあなたにとって最高の環境となるでしょう。


KOSSUN教育ラボは、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の総合型選抜(AO入試)に特化した対策を行っています。受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。

※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。