
- 1. 【第1章】マインドセット編:SFCにおける「問題発見」の真実
- 2. 【第2章】志望理由書編:問題発見の技法
- 2.1. ステップ1:生々しい「一次情報(原体験)」を足場にする
- 2.2. ステップ2:課題の「構造」を因果関係で掘り下げる
- 2.3. ステップ3:あなた独自の「新しい切り口(問い)」をシャープに定義する
- 3. 【第3章】自由記述編:発見した問題を「一瞥(視覚)」で伝えるデザイン技法
- 3.1. 「問題発見」を可視化する2大要素の配置
- 4. 【第4章】出願直前編:「問題発見」の質を検閲する最終チェックリスト
- 5. 【第5章】面接編:「想定外の突っ込み」を福利の法則でチャンスに変える
- 6. 最後に
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
「SFCが求める『問題発見』って、具体的にどう書けばいいの?」 「ニュースにあるような一般論を書いても、教授の心に響かない気がする……」
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)のAO入試(総合型選抜)に挑む受験生が、最も激しくぶつかる壁。
それが「問題発見」の言語化です。
SFCの公式パンフレットや募集要項には、明確に「問題発見・解決型人材」を求めると記されています。
しかし、多くの受験生が「問題解決(=SFCで何をしたいか)」ばかりに文字数を費やし、その前提となる「問題発見」のパートを軽視してしまいます。あるいは、ネットから拾ってきたような、誰でも知っている一般論を並べて一発不合格の烙印を押されているのが現状です。
今回は、『問題発見』を落とし込む技術を徹底解説します。
【第1章】マインドセット編:SFCにおける「問題発見」の真実

まず、あなたが脳内にインストールすべき最も重要な事実があります。
それは、SFCの教授陣にとって「優れた問題解決(解決策)は、優れた問題発見(問いの質)からしか生まれない」ということです。
多くの受験生は、以下のような罠に陥っています。
「日本の教育格差をなくすために、SFCで新しいオンライン教育システムを開発したいです」
一見、立派な志望動機に見えるかもしれません。
しかし、SFCの教授陣からすれば、これは「問題発見」が完全に空っぽです。
「教育格差が問題である」というのは、すでに世の中で手古摺られている既知の事実であり、あなたが発見した問いではないからです。
SFCが求めているのは、社会の流動する秩序の先を見通し、「誰もが当たり前だと見過ごしている日常の中に、あなた固有の視点で『これって実はおかしくないか?』という歪み(ボトルネック)を見つけ出すこと」です。
この「問いを立てる力」そのものが、1次選考で最も厳しく凝視されている知的なタフネスなのです。
【第2章】志望理由書編:問題発見の技法

一般論を、教授陣を唸らせる独自の問いへと昇華させるための、具体的な3ステップが以下です。
ステップ1:生々しい「一次情報(原体験)」を足場にする
教科書やニュース、新書から得た知識(二次情報)だけで問題発見を語るのは今すぐやめてください。
すべての出発点は、あなた自身の泥臭い実践や、生活の中で目撃した「生々しい原体験(一次情報)」でなければなりません。
「〇〇のボランティアに参加した際、ある1人の子どもが放った一言に強烈な違和感を覚えた」「自分でアプリを開発して友人に使ってもらった時、既存の理論では説明できない壁にぶつかった」など、あなたにしか語れない具体的な「リアルな痛みや違和感」から文章をスタートさせます。
ステップ2:課題の「構造」を因果関係で掘り下げる
原体験から生まれた違和感を、単なる「個人の感想」で終わらせてはいけません。
なぜその問題が起きているのか、背景にある社会システムや人間の心理のメカニズムを、徹底的なリサーチ(先行研究の読み込みやフィールドワーク)によって掘り下げます。
「Aという問題の原因はBだと言われているが、実はその奥にあるCという流動的なゲームのルール(構造)こそが、真のボトルネックではないか?」というように、課題の構造を因果関係の鎖で繋ぎ、ロジックを構造化します。
ステップ3:あなた独自の「新しい切り口(問い)」をシャープに定義する
掘り下げた結果をもとに、志望理由書の中で「私が発見した真の問題は、〇〇である」とシャープに定義します。
世間一般で言われている大枠の課題(例:地方過疎化、環境問題)を、あなた独自のフィルターを通して「誰も着目していない微細かつ本質的な問い」へと因数分解して提示するのです。
これができれば、「〇〇教授の〇〇研究会でなければならない必然性」へと、一本の美しい軸となって完璧に繋がります。
【第3章】自由記述編:発見した問題を「一瞥(視覚)」で伝えるデザイン技法

A4・2枚の自由記述は、志望理由書に書いた「問題発見のロジック」を、視覚的に補完するビジュアルアーキテクチャです。
紙面を単なる思い出アルバムや、生成AIに頼り切った他力本願の美麗なイメージイラストで埋めてはなりません。
役割に応じた冷徹な図解の工程が必要です。
「問題発見」を可視化する2大要素の配置
- 「写真」による客観的証明(エビデンス): あなたが原体験の現場(一次情報)で、実際に何を目撃したのかを証明する写真を1〜2枚に厳選して配置します。その写真の横には、必ず「この現場で、どのような本質的課題を見つけたのか」という言語化(問いの定義)をセットで配置してください。
- 「構造図」によるメカニズムの可視化: あなたが分析した「課題が起きている複雑な社会構造」を、四角と矢印を用いたシステム構造図(マインドマップや相関図)に描き直します。「既存のアプローチではなぜ解決できないのか」という限界の壁をビジュアルで示すことで、あなたの思考の深さが一目で教員に伝わります。
【第4章】出願直前編:「問題発見」の質を検閲する最終チェックリスト

書類を提出する前に、あなたの「問題発見」が合格水準に達しているか、1ミリの油断も許さない冷徹さで以下の検閲リストをチェックしてください。
- [ ] 主語が「あなた」の一次情報になっているか? ── 「近年、社会では〜と言われている」のような、他人が立てた問いを上から目線でなぞるような乱暴な一般論になっていないか、一文字ずつ精査してください。
- [ ] 「問題解決の手段(ツール)」が目的化していないか? ── 「生成AIを使って〇〇したい」「メタバースで〇〇したい」というのは手段に過ぎません。「なぜ、その手段を使わなければ解決できないほどの、どんな深刻な『問い』がそこにあるのか」が主役になっているか確認してください。
- [ ] 提出書類の要約(200字)は「問題発見のキャッチコピー」になっているか? ── 200字の要約は、あなたの研究の看板です。本編のツギハギではなく、あなたが発見した固有の問いが、洗練された弾丸のように凝縮されているか精査してください。
【第5章】面接編:「想定外の突っ込み」を福利の法則でチャンスに変える

1次選考を突破した先、2次選考(面接試験)でSFCの教授陣が最も激しく突っ込んでくるのも、やはりあなたが提示した「問題発見」のパートです。
「その問題って、もう〇〇大学の論文で解決されてない?」「君の言う課題は、単なる思い込みじゃない?」といった、想定外の鋭い変化球が飛んできます。
このピンチを味方にし、知的な会話のキャッチボールを楽しむために、KOSSUN教育ラボ式「伝わる」話し方のメソッド「福利の法則」を発動させます。
- F(復唱・受け止め): 教授の質問や指摘を最後まで聴き切り、「ご指摘の通り、既存の〇〇という論文の視点に立てば、その問題は解決されているように見えます」と素直に復唱して受け止めます。
- K(結論の提示): 受け止めた上で、「しかし、私が今回着目しているのは、その既存研究ではカバーしきれていない〇〇という流動的な要素です」と、その場で導き出した結論をファーストでズバッと返します。
- R(理由・根拠の展開): なぜそう言えるのか、あなたが現場で泥臭く実践して得た一次情報や、リサーチの根拠を論理的に展開します。「なぜなら、私が〇〇のフィールドワークを行った際、実際に〜という事象が発生していたからです」と繋ぎ、問いの解像度の高さを証明します。
- I(以上・未来へのコミット): 「以上の理由から、私はこの問いをさらに深めるために、SFCの〇〇研究会を志望しています」と、自分の志と圧倒的な覚悟に引き戻して着地させます。
最後に
慶應SFCを目指して、日々孤独な机の上で「問い」と格闘を続けているあなた。
「自分の見つけたテーマは浅いのではないか」「教授を納得させられるだろうか」という不安は、あなたが自らの未来に、そしてこの社会に本気で向き合っているという、極めて尊い証拠です。
KOSSUN教育ラボは、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の総合型選抜(AO入試)に特化した対策を行っています。受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
西村 成道(にしむら・なるみち)
KOSSUN教育ラボ 副代表。総合型選抜(AO入試)のプロ講師として1,200名以上の塾生をサポート。特に書類選考の通過率は通算96.4%と業界トップを記録。慶應SFCをはじめ、「評定不良」「実績なし」「文章嫌い」からの逆転合格者を毎年輩出。圧倒的な指導力と実績が受験生、保護者の間で話題となり、全国から入塾希望者が殺到している。著書、メディア出演多数。


