
- 1. 1. なぜ基本文体は「常体(〜だ・〜である)」なのか?
- 1.1. 常体を選択すべき3つの明確な理由
- 2. 2. 常体(〜である)でも高圧的にならず「丁寧さ」を伝える技術
- 2.1. 丁寧さの技術①:他者の活動や現場への「敬意」を言葉に込める
- 2.2. 丁寧さの技術②:大学・教授陣への「礼儀」は正しく固有名詞で表現する
- 2.3. 丁寧さの技術③:曖昧な言葉を廃し、「論理の具体化」に時間をかける
- 3. 3. 「KOSSUN教育ラボ式・志望理由書の型」における文体とバランス
- 4. 4. 提出前に必ず確認すべき「文体・表現チェックリスト」
- 5. 5. 最後に:洗練された言葉選びが「あなた」の格を上げる
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
SFCのAO入試において、出願書類の要となるのが「志望理由・入学後の学習計画・自己アピール」です。
何週間も推敲を重ねて原稿を執筆する中で、多くの受験生が「文体は『〜だ・〜である(常体)』で書くべきか、それとも『〜です・〜ます(敬体)』で丁寧に書くべきか」という疑問にぶつかります。
また、「常体だと高圧的に見えないか」「敬体だと文字数を無駄に消費して幼稚に見えないか」と、文章の「丁寧さ」の加減に迷う方も少なくありません。
結論からお伝えすると、学術的・論理的書類としての基本は「常体(〜だ・〜である)」ですが、丁寧さや誠実さは語尾ではなく「言葉選びの精度」と「文章構造の美しさ」によって表現するのが正解です。
本記事では、KOSSUN教育ラボ式「志望理由書の型」をベースに、知性と丁寧さを両立させる文体・言葉選びの黄金律を徹底解説いたします。
1. なぜ基本文体は「常体(〜だ・〜である)」なのか?

志望理由書をはじめとする大学の出願書類は、大学教授(採点官)という専門家に向けて提出する「論理的作文・研究計画書」です。
一般的に、小論文や論文、学術的な研究計画書では「常体(〜だ・〜である)」を用いるのが標準ルールです。
常体を選択すべき3つの明確な理由
- 論理的で客観的な印象を与える: 「〜である」「〜と考える」と言い切ることで、自身の主張や研究に対する責任感と論理的推進力が生まれます。
- 文字数の浪費を防ぎ、内容密度を高められる: 敬体(〜と考えております/〜させていただきました)は無駄な文字数を消費します。常体にすることで、2,000字の中に1分1秒でも多くの「具体的内容(研究計画や実績)」を流し込むことができます。
- 段落ごとの文字数コントロールが容易になる: 後述する「志望理由書の型」の文字数配分(黄金比)を正確に守りやすくなります。
もちろん、敬体(〜です・〜ます)で書いたからといってそれだけで即不合格になるわけではありません。
しかし、2,000字という限られた枠で研究の解像度を最大限に高めるためには、常体を選択するのが最も合理的です。
2. 常体(〜である)でも高圧的にならず「丁寧さ」を伝える技術

「〜である」「〜だ」という文体を使うと、「文章が偉そうに見えてしまわないか」「大学教授に対して失礼にならないか」と心配される方がいます。
しかし、文章における「丁寧さ」とは、語尾に「です・ます」をつけることではありません。
教授陣に対して礼儀正しく誠実な印象を与える本当の「丁寧さ」は、以下の3つのポイントで表現します。
丁寧さの技術①:他者の活動や現場への「敬意」を言葉に込める
自分の実績(自己アピール)や現場での原体験を語る際、周囲の人々や協力者への敬意を欠かさない表現を徹底します。
- 【不親切な例】私は高齢者ボランティアで彼らの不満を分析し、問題点を指導してあげた。
- 【丁寧で誠実な例】地域の高齢者の方々への丁寧な聞き取り調査を通じ、一人ひとりが抱える生活上の不便さや潜在的ニーズを学ばせていただいた。
主語を自慢げにするのではなく、お世話になった方々への感謝や、現場の事実から真摯に学んだ姿勢を客観的に描写することで、謙虚で誠実な人柄がにじみ出ます。
丁寧さの技術②:大学・教授陣への「礼儀」は正しく固有名詞で表現する
大学名や学部名、教授名、研究会名を記述する際は、略称を使わず正確に記述します。
- 【不適切な例】 SFC、慶応、〇〇ゼミ、〇〇先生
- 【丁寧な表現例】 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス、総合政策学部(環境情報学部)、〇〇研究会、〇〇教授
大学の理念や教授の研究内容に触れる際も、「〇〇教授の掲げる〇〇という先進的なアプローチに感銘を受け」というように、正確な固有名詞と正しい敬称を用いることが最大の礼儀となります。
丁寧さの技術③:曖昧な言葉を廃し、「論理の具体化」に時間をかける
一番不丁寧な文章とは、読む側(教授陣)に「で、結局何が言いたいの?」と解釈の手間をかけさせる「曖昧で抽象的な文章」です。
一文を60字前後に抑え、専門用語を振りかざさず、教授陣が一読してすっと理解できる「分かりやすく整理された文章」を提示することこそが、読み手に対する最高レベルの「丁寧さ」です。
3. 「KOSSUN教育ラボ式・志望理由書の型」における文体とバランス

KOSSUN教育ラボ式「志望理由書の型」に沿って原稿を組み上げる際、常体(〜である)を使いながらどのように熱意と丁寧さを表現するのか、具体的な配分シミュレーションです。
【2000字の4ステップ文章バランスシミュレーション】
- ステップ1:【志の宣言】(全体の5〜10% / 約150字)「〜を実現するため、総合政策学部(環境情報学部)を志望する。将来は〇〇の専門家として社会課題の解決に貢献する所存である。」と、冒頭で結論と覚悟を明快に宣言します。
- ステップ2:【一貫性の提示】(全体の30〜40% / 約700字)「私がこの志を抱いたきっかけは、高校時代の〇〇という経験である」と切り出し、自分が直面した壁や現場での探究行動を具体的な事実・エピソードで記述します。感情論に逃げず事実を描くことで誠実さが伝わります。
- ステップ3:【志望動機(SFCでの学習計画)】(全体の40〜50% / 約900字)「〇〇という課題を解決するためには、〇〇研究会における〇〇教授の指導が不可欠である」と論理的に展開します。SFCの独自リソース(SFC研究所や各種ラボ等)を挙げ、大学・学部研究の深さを示すことで知的な丁寧さを証明します。
- ステップ4:【〆のひと押し】(全体の5〜10% / 約150字)「以上のように、私は○○大学での学びを通じて自らを厳しく磨き上げ、〇〇の分野を先導する人材へと成長する覚悟である。○○大学の一員として第一歩を踏み出すべく、入学を強く志望する」と、謙虚かつ強い熱意を持って締めくくります。
4. 提出前に必ず確認すべき「文体・表現チェックリスト」

出願システムへ入力・ペーストする前に、手元の原稿で以下のポイントをセルフチェックしてください。
- [ ] 「〜だ・〜である(常体)」と「〜です・〜ます(敬体)」が混ざっていないか?(文体の統一)
- [ ] 「貴学(きがく)」と「御校(おんこう)」が混同していないか?(※書き言葉は「貴学」に統一)
- [ ] 「貴学に入学させていただきたく…」「〜をしてあげた」などの過剰・不適切な敬語表現がないか?
- [ ] 「とても」「すごく」「かなり」といった抽象的な口語表現(話し言葉)が残っていないか?
- [ ] 一文が長すぎて二重述語になっていないか(1文は60字以内を目安にする)
声に出して音読(プリントアウトして読録)してみることで、不自然な文体の混ざりや、高圧的に聞こえるフレーズを簡単に見つけることができます。
5. 最後に:洗練された言葉選びが「あなた」の格を上げる

志望理由書における「丁寧さ」とは、うわべだけの丁寧語やへりくだった表現のことではありません。
- 伝えるべき「志」と「研究計画」を論理的に整理する。
- 嘘や誇張を排し、事実と行動に基づいた言葉で「あなた」を語る。
- 正確な固有名詞を用い、常体(〜である)で凛とした決意を述べる。
この姿勢こそが、採点官である教授陣に「この志願者は知的で誠実であり、SFCでともに研究を進めるにふさわしい」と心から感じさせる最大の要因になります。
一つひとつの言葉を丁寧に吟味し、洗練されたロジックと文章美を備えた2,000字を完成させて、第一志望校・慶應SFCへの合格を確実に掴み取りましょう!
教務一同、あなたの挑戦を心から応援しております!
KOSSUN教育ラボでは、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の総合型選抜(AO入試)に特化した対策を行っています。
受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。
本記事で紹介した内容に関連して、以下の記事もおすすめです。ぜひご覧ください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
西村 成道(にしむら・なるみち)
KOSSUN教育ラボ 副代表。総合型選抜(AO入試)のプロ講師として1,200名以上の塾生をサポート。特に書類選考の通過率は通算96.4%と業界トップを記録。慶應SFCをはじめ、「評定不良」「実績なし」「文章嫌い」からの逆転合格者を毎年輩出。圧倒的な指導力と実績が受験生、保護者の間で話題となり、全国から入塾希望者が殺到している。著書、メディア出演多数。
■参考文献
本記事の作成にあたっては、以下の公式資料を参考にしています。
慶應義塾大学 総合政策学部・環境情報学部「2026 夏秋 AO 募集要項」


