こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。

総合型選抜(AO入試)の出願書類の作成にあたり、慶應義塾が提示するアドミッション・ポリシーや学部長のメッセージをどれほど深く噛み締めているでしょうか。

SFCのAO入試は、単に過去の学業成績や活動実績を誇示する場ではありません。大学側が求めているのは、学部の理念を根本から理解し、SFCの環境を自らの手で使い倒して「流動する秩序の先を歩み、社会に変化を仕掛ける覚悟」を持った学生です。

特に総合政策学部が求める「既存の枠組みに安住しない強い意志」とはどのようなものなのか。

総合政策学部長・加茂具樹教授のアドミッションメッセージや学部の学問理念を深く掘り下げながら、受験生として出願書類に込めるべきマインドと戦略を徹底的に解説します。

1. 総合政策学部長が提示する「流動する秩序」と「政策」の本質

総合政策学部長の加茂具樹教授は、募集要項のアドミッションメッセージの中で、私たちが直面している激動の時代背景について触れています

1990年のSFC創設期も東西冷戦の終焉という世界的な地殻変動の渦中にありましたが、今再び、世界の秩序は大きく変動しています。私たちが共有してきた価値や規範、制度といった「ゲームのルール」は根底から動揺しており、これまで当然とされてきた前提の多くが崩れ去っています

こうした不確実な時代において、現実社会の問題は既存の特定の学問領域(法学、経済学、政治学など)の内側に整然と現れてくれるわけではありません。この流動する現実に向き合う姿勢として、加茂学部長は以下のように述べています

「現実社会の問題に向き合う私たちは、従来の解決方法に常に懐疑的な姿勢をとるべきであり、常に新たな発想を追究すべき理由は、ここにあります。」

(出典:『2026年度 夏秋AO 募集要項』 P.6)

総合政策学部において「政策」とは、単に政府が作る法律や制度のことだけを指すのではありません。「人間が何らかの行動をするために選択し、決断すること」そのものを政策と捉えています。

既存の枠組みや前例を鵜呑みにせず、社会の変容を「自分自身の問題」として引き受けて、自ら解決策を構想し実装していくことこそが、総合政策学の真骨頂なのです。

2. 「既存の枠組みに安住しない強い意志」を構成する3つの要素

では、総合政策学部が期待する「熱き志を持った仲間」に求められる意志とは、具体的にどのようなものでしょうか。メッセージや学部の教育理念から、次の3つの要素に整理できます。

① 従来の解決策や前提に対する「知的な疑い(懐疑的姿勢)」

「今までこうだったから」「大人がそう言っているから」という既成概念を盲信せず、「本当にその前提は正しいのか?」「なぜこの問題は解決しないのか?」と常に問い直す知的な批判精神です。

② 複数の専門知を統合する「学際的・融合的な視座」

一つの個別学問の枠組みに閉じこもるのではなく、政策、法、戦略、経営、ガバナンス、さらにはテクノロジーや思想まで、必要な知識を横断的に組み合わせ(分野の掛け算)、未踏の領域に足を踏み入れる勇気です。

③ 社会の変容を「自分事」として引き受ける当事者意識

遠い世界の出来事や他人事として問題を眺めるのではなく、目の前の課題を「自分自身のテーマ」として捉え、自ら行動を起こして社会に変化を仕掛けようとする強い主体的意志です。

3. 書類に「安住しない意志」を落とし込む具体的な戦略

これらの意志やマインドを、志望理由書、自由記述、任意提出資料といった出願書類に落とし込むための戦略を解説します

① 「既存の解決策の限界」を明確に論証する

志望理由書を作成する際、自分が取り組みたい社会課題に対して「現在どのような対策がなされているか」を調べるだけで満足してはいけません。

「現在の対策やアプローチには何が欠けているのか(なぜ既存の枠組みでは限界があるのか)」を徹底的に分析してください。前例の限界を客観的・論理的に指摘できるからこそ、あなたが提示する「新しい解決策(政策構想)」の必要性が引き立ちます。

② SFCの「研究手法と理論」を掛け合わせた研究計画を描く

「SFCの文理融合な環境で広く学びたい」という抽象的な表現は不合格の典型です。

総合政策学では、実態を把握する「認識科学(定性調査、データサイエンス等)」と、仕組みを構築する「設計科学」の双方を組み合わせる「実践知」を重視します。

SFCのシラバスや教員の研究テーマを読み込み、「どの教授のもとで、どんな手法(インタビュー、社会実験、制度設計等)を用いて研究を推進するのか」を具体的に提示してください。

③ 生成AIや教科書の受け売りではない「一次情報」を込める

SFCの募集要項には「生成AIによって生成されたものを受験生独自の成果物とはみなさない」と明記されています。

誰かが言った綺麗事やAIがまとめた一般的な論論に価値はありません。あなたが実際に足を使って行ったフィールドワーク、当事者へのヒアリング、自ら行動を起こして直面した壁や失敗談といった「あなた自身の生の体験(一次情報)」から紡ぎ出された言葉こそが、書類に本物の説得力をもたらします。

4. おわりに:社会に変化を仕掛ける「先導者」になれ

加茂学部長はメッセージの中で、卒業生たちの姿についてこう言及しています

「卒業生の多くが、日本と世界を良くするために、世の中に変化を仕掛け、社会を先導するという志を抱いて活躍しています。」

(出典:『2026年度 夏秋AO 募集要項』 P.6)

SFCが目指すのは、与えられたルールの中で優秀な成績を収める「優等生」の育成ではありません。ルールそのものの変容を見抜き、自ら新しいルールや政策を創り出していく「先導者」の育成です

「自分にはまだ大層な実績がない」と気後れする必要はありません。評価されるのは過去の栄光の長さではなく、「現状の枠組みに満足せず、自らの意思で未来をどう変えたいのか」という思考の深さと執念の強さです。

あなたが解くべき「問い」と真剣に向き合い、妥協のない出願書類を完成させてください。

あなたが湘南藤沢キャンパスで「社会に変化を仕掛ける先導者」として第一歩を踏み出すその日まで、私たちも全力でサポートし続けます。応援しています!


KOSSUN教育ラボでは、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の総合型選抜(AO入試)に特化した対策を行っています。

受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。

本記事で紹介した内容に関連して、以下の記事もおすすめです。ぜひご覧ください。

【慶應SFC AO】入学した先のビジョンを圧倒的に具体化するための学年別・準備戦略

※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

■参考文献
本記事の作成にあたっては、以下の公式資料を参考にしています。
慶應義塾大学 総合政策学部・環境情報学部「2026 夏秋 AO 募集要項」
慶應義塾大学「KEIO UNIVERSITY GUIDEBOOK 2027 学問のすゝめ」