こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。

慶應SFCの面接試験において、多くの受験生が陥る最大の罠。

それは、面接を「自分への攻撃を避けるドッジボール」だと勘違いしてしまうことです。

「教授から厳しいツッコミが来た! 自分の研究の弱点を指摘された!」 そう感じた瞬間、反射的に自己弁護に走り、論理をすり替えて反論したり、あらかじめ用意した原稿を必死に読み上げようとしたりしていませんか?

ドッジボールのような「防御と攻撃」の構図になった時点で、残念ながらその面接は「不合格」への道を歩み始めています。教授たちが求めているのは、あなたとの「学術的なキャッチボール」です。

今回は、面接官(教授)の投げるボールを正しく受け止め、価値ある返球をするための「キャッチボール術」を徹底解説します。

1. なぜ「ドッジボール面接」は不合格になるのか?

面接官である教授は、あなたを落とすために意地悪な質問をしているのではありません。彼らが知りたいのは、「あなたの研究テーマに学術的な議論の余地があるか」「あなたの思考プロセスは柔軟か」という点です。

  • ドッジボールになる原因自分の研究を「完成されたもの」だと思い込み、指摘を「批判」として受け止めてしまうこと。
  • キャッチボールの定義指摘を「共同研究者からの貴重なフィードバック」と捉え、それを自分の論理に取り込んで、さらに高いレベルで返球すること。

面接を「議論の場」ではなく「自分のすごさをプレゼンする場」と履き違えた瞬間、対話は終了します。

2. キャッチボールを成立させる「3つの極意」

① 教授の言葉を「オウム返し」で受け止める(キャッチ)

教授から鋭い質問や指摘が飛んできた時、すぐに自分の主張を話し始めてはいけません。まずはボールを受け止めましょう。

  • 技術「ご指摘ありがとうございます。〇〇という視点が抜け落ちていたという点、深く理解いたしました」と、まずは相手の言葉を肯定的に受け止める。これだけで、教授は「この学生は聞く耳を持っている」と判断します。

② 「仮説の余地」を残して返球する(投球)

完成した論文を読み上げようとせず、あえて「現時点ではこのように考えていますが、先生のご指摘を踏まえて、今後は〇〇という検証が必要だと感じました」と、自分の論理をアップデートする姿勢を見せてください。

③ 「福利の法則」で短く返す

議論が長くなると、キャッチボールは崩れます。

回答は必ず「福利の法則(F復唱・K結論・R理由・I以上)」を守り、教授が次のボールを投げやすい間(ま)を作りましょう。

例文「はい、私の長所は(F)人を巻き込むリーダーシップ能力です。(K)その理由は、バスケ部のキャプテンとして、創部以来初となるインターハイ優勝に導いたからです(R)以上です。(I)」

3. 具体例:ドッジボール vs キャッチボール

質問:「その研究テーマは、既存の〇〇という手法と何が違うの?」

✕ ドッジボール(反論・自己弁護)

「いえ、既存の手法も知っていますが、私の手法はもっと効率的です。〇〇は古いやり方だと思いますし、私のやり方なら……(以下、自説の押し付け)」

  • ポイント自分の正しさを証明することに固執し、相手の視点を無視しています。これでは議論が平行線になります。

◯ キャッチボール(対話・建設的)

「【受け】ご指摘ありがとうございます。既存の〇〇という手法については存じ上げており、非常に強力な手段だと認識しております。【返す】ただ、私の研究における最大の違いは、〇〇という技術を実装することで、〇〇という制約を回避できる点にあると考えています。もちろん、効率面で〇〇の手法に分があるのは承知しておりますが、この新しい切り口が新たな可能性を開くと確信しています。【以上】以上です。」

ポイント相手の知見を尊重しつつ、自分の論理の「差分」を明快に提示しています。教授はこの返球に対し、「では、その制約回避は具体的にどう担保する?」と、さらに深い議論を投げかけてくれるはずです。

最後に

面接官は、あなたが4年後に「自分のゼミで卒論を書き、面白い議論ができる学生か」を見ています。面接という短い時間の中で、あなたを「受験生」から「議論ができる共同研究者候補」へと昇華させられるかが勝負です。

「勝ち負け」を争うドッジボールは今すぐ捨ててください。

面接官の問いに対して誠実に、しかし自分の仮説には情熱を持って、心地よいテンポでキャッチボールを続けること。その姿勢こそが、SFCの教員が最も好む「未来からの留学生」の姿そのものです。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。