
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
慶應義塾大学看護医療学部のAO入試(自由応募入試)を目指す高3生の皆さん、出願および秋の選考に向けた準備の進捗はいかがでしょうか。
看護医療学部の募集要項(アドミッション・ポリシー)において、学部が求める人物像として次のような掲げられ方をしている点に深く注目する必要があります。
「自分の行いが人々や社会に役立つことを望み、人々や社会のよりよいあり方を追求しようとする。」
(出典:『2027年度 アドミッションズ・オフィスによる自由応募入試(AO入試) 募集要項』 入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)についてより)
医療や看護の世界は、病院やベッドサイドという限られた空間の中だけに存在するわけではありません。少子高齢化の加速や健康課題の複雑化、AI・IoTの活用や遠隔医療の進展、さらにグローバル化に伴う国境を越えた保健医療の課題など、看護が果たすべき役割や活動の場は社会全体へと広がっています。
この社会の構造変化の中で、受験生が9月中に自身の志望理由書や活動報告書、そして面接に向けた思考を深めるべき「医療・看護の社会性」とは何か。その具体的なアプローチを解説します。
1. 医療を「個別・治療」から「社会・システム」の視点へと拡張する

多くの受験生が陥りがちな罠が、「看護師として患者さんに寄り添い、優しくケアをしたい」という個人的なモチベーション(純粋な共感)だけに終始してしまうことです。もちろん、他者の苦痛や悩みを理解しようとする姿勢は不可欠ですが、それだけでは「看護の社会性」を捉えているとは言えません。
看護学とは、人々が人生をその人らしく生き抜くことができるよう命と健康を護り、その人の持つ力を高め、生活の質を支援する実践の科学です。
つまり、目の前の患者の病気やケガを治すことの背後にある、「なぜその人は病気になったのか」「その健康課題を生み出している地域社会の構造や生活環境の歪みは何か」というマクロな視点を持つことこそが、医療・看護の社会性を考える出発点となります。
2. 9月に深めるべき「社会性」の3つのアプローチ

9月という出願・直前期において、自分の言葉で看護の社会性を語るために、以下の3つの次元で思考を深化させてください。
① 少子高齢化・地域包括ケアと看護の役割
日本の急激な少子高齢化に伴い、医療の主戦場は「病院で治す医療」から「地域で支える医療・ケア」へとシフトしています。
- 深めるべき問い:自分が関心を持つ健康課題(例えば、高齢者の孤立や慢性疾患の自己管理など)は、地域の保健・福祉システムの中でどう位置づけられているのか。看護師は病院の外でどのような社会的機能を果たすべきか。
② 先端技術(AI・ICT・遠隔医療)と人間的ケアの融合
現代の医療環境は、AIやIoT、遠隔医療の発展によって劇的に変化しています。
- 深めるべき問い:テクノロジーが医療の効率化や遠隔化を進める中、人間にしかできない看護の本質(多様な価値観を大切にする豊かな感性と人間性)とは何か。技術の進歩と看護の社会性が交差する場所で、自分はどのような課題を解決したいのか。
③ グローバル化・多様性(ダイバーシティ)に対応する看護
国境を越えた人の移動や多文化共生が進む中、医療現場にも多様な背景を持つ人々が訪れます。
- 深めるべき問い:自分とは異なる立場や文化、価値観を持つ人々とコミュニケーションを図り、関係を構築するためには、医療従事者としてどのような社会制度や倫理観が必要とされるのか。
3. 自分の活動(一次情報)と社会性を結びつける

活動報告書や志望理由書に記載する自身の経験(ボランティア活動、福祉に関する見聞、自由研究など)を、単なる「個人のいい話」で終わらせてはいけません。
- 「私」の体験:ボランティア先で、高齢者が孤立感や生活上の不便を抱えている現実を目の当たりにした。
- 「社会」への接続:それは個人の問題ではなく、地域社会における社会的処方やネットワークの欠如という「社会的なシステム課題」であると気づいた。
- 看護の構想:だからこそ私は、臨床の技術だけでなく、地域社会の健康のあり方からデザインできる「看護医療の先導者」になりたい。
このように、個人のミクロな経験(一次情報)を、社会全体の構造的な課題へと橋渡しするロジックを構築すること。それが、看護医療学部が求める「ものごとを多角的にとらえ、問題に気づき、解決の方向性を考え出す能力」の証明になります。
4. 最後に:人々や社会のよりよいあり方を追求する者へ

看護医療学部が育成を目指すのは、将来、人々と社会のため看護医療の先導者となる人材です。
9月のこの時期、机の上で教科書的な医療知識を暗記するのではなく、「自分の行いが人々や社会に役立つとはどういうことか」「人々や社会のよりよいあり方をどう追求するか」という学部のアドミッション・ポリシーをもう一度深く噛みしめてください。
看護の社会性を深く見据えたあなた独自の視点を、志望理由書や面接の場で堂々と表現し、未来の看護医療の先導者としての第一歩を力強く踏み出していきましょう!
KOSSUN教育ラボでは、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の総合型選抜(AO入試)に特化した対策を行っています。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
西村 成道(にしむら・なるみち)
KOSSUN教育ラボ 副代表。総合型選抜(AO入試)のプロ講師として1,200名以上の塾生をサポート。特に書類選考の通過率は通算96.4%と業界トップを記録。慶應SFCをはじめ、「評定不良」「実績なし」「文章嫌い」からの逆転合格者を毎年輩出。圧倒的な指導力と実績が受験生、保護者の間で話題となり、全国から入塾希望者が殺到している。著書、メディア出演多数。
■参考文献
本記事の作成にあたっては、以下の公式資料を参考にしています。
慶應義塾大学看護医療学部「2027年度 アドミッションズ・オフィスによる自由応募入試(AO入試) 募集要項」
慶應義塾大学「KEIO UNIVERSITY GUIDEBOOK 2027 学問のすゝめ」

