
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)のカリキュラムにおいて、学びの中心核となるのが「研究会」です。
一般的な大学では「ゼミナール(ゼミ)」と呼ばれ、3年生や4年生になってから所属することが通例ですが、SFCでは創立以来頑なに「ゼミ」ではなく「研究会」という名称を用い、意欲と能力さえあれば1年生(学部1年次)から所属・履修できる極めてユニークなシステムを採っています。
出願書類を提出し、1次合格発表や二次面接を控える受験生にとって、この「研究会」の理解は合否を分ける決定的な要素となります。
なぜSFCは「ゼミ」ではなく「研究会」と呼ぶのか。そして、なぜ1年生から所属できるのか。
そこには、福澤諭吉が掲げた「半学半教」の精神と、「学生をお客様扱いせず、対等な研究パートナー(共同研究者)として迎え入れる」というSFC独自の強烈な文化が存在します。
今回は、SFC研究会の真髄と、二次面接で「教授の研究パートナー」として選ばれるための思考法を徹底解説します。
1. なぜ「ゼミ」ではなく「研究会」と呼ぶのか?

一般の大学における「ゼミ」は、教員が用意した専門書を輪読し、教員が学生に学問の作法を「教える・指導する」場であることが少なくありません。
しかし、SFCの「研究会」は成り立ちからして根本的に異なります。
【一般的なゼミとSFC研究会の決定的な違い】
・一般的な大学のゼミ:教員=「教える人」、学生=「教わる人・生徒」
・SFCの「研究会」 :教員=「シニアリサーチャー」、学生=「ジュニアリサーチャー(共同研究者)」
1990年のキャンパス開設時、現実社会の未解決の課題に挑むために集まった教員たちは、「まだ誰も正解を知らないフロンティアを切り拓くには、教員と学生が対等に知恵を絞り、共に研究を推進する組織が必要だ」と考えました。
そのため、研究会は単なる授業の一環ではなく、「大学院生や専任教授、企業や官公庁の共同研究プロジェクト、そして学部生がひとつのチームとなって最先端の問いに挑むアトリエ・研究所」として機能しているのです。
2. 「1年生から履修可能」が意味するメッセージ

SFCでは、1年生であっても教員の研究会審査(選抜)を通過すれば、最前線の研究プロジェクトに加わることができます。複数受講(複数の研究会を同時に履修すること)も認められています。
このシステムが受験生に突きつけているメッセージは極めてシンプルです。
「何年生か」は関係ない。あなたに独自の問いと、手を動かして貢献する力があるかどうかがすべてだ。
慶應義塾には、「半学半教(学ぶ者と教える者が互いに教え合い、学び合う)」という教育理念があります。
教授陣が求めているのは、手取り足取り基礎を教えてもらうのを待っている「受け身の学生(お客様)」ではありません。
- 「先生、私はこの社会課題に対してこういう独自の仮説を持っています」
- 「先生の研究室のリソースや知見と、私のこのアイデア・スキルを掛け合わせれば、未踏の領域を切り拓けるはずです」
このように、教員の研究を前に進める新しい刺激をもたらしてくれる「研究パートナー」こそが、SFCが熱望する学生像なのです。
3. 面接官(研究会の主宰教授)を唸らせる志望動機の語り方

2次選考(面接試験)の面接室に座っているのは、まさに現場で研究会を主宰しているSFCの専任教授陣です。
面接で「この学生を自分の研究会に迎え入れたい」と思わせるための、実践的なアプローチを整理しましょう。
① 「教えてほしい」という言葉を完全に封印する
- NG例:「◯◯教授のもとで、先端AIと医療データ分析の手法を一から教えていただきたいです」(※教わるために入学するなら、専門学校や教科書の独学で十分と判断されます)
- OK例:「現場の医療従事者へのヒアリングから〜〜というボトルネックを発見しました。◯◯教授の研究会が持つ自然言語処理の知見を活用させていただき、現場の負荷を軽減するプロトタイプの共同開発に挑戦したいです」
② 教授の「最新の論文・プロジェクト」を前提知識として頭に入れる
志望する教授の研究室のWebサイト、シラバス、直近1〜2年で発表された論文や学会発表、著書を精読しておきましょう。
「先生のプロジェクトのこの部分に対して、自分は高校時代に取り組んできた〜〜のデータや一次情報を持ち寄って貢献できる」と語れる受験生は、面接官にとって「すでに研究室のゼミ生とディスカッションしている感覚」を抱かせます。
③ 「福利の法則(F-K-R-I)」で端的に対話のボールを返す
研究パートナーとしての資質は、会話のテンポにも現れます。質問に対してだらだらと長口上を述べるのではなく、「復唱(F)→ 結論(K)→ 理由・具体例(R)→ 以上(I)」でテンポよく打ち返し、教授からの鋭いツッコミや学問的アドバイスを歓迎する姿勢を示しましょう。
4. 研究パートナーとしての「自己点検チェックリスト」

二次面接に向けて、あなた自身のスタンスが「研究パートナー」のレベルに達しているか確認してください。
| 点検項目 | 本質チェック内容 | 確認欄 |
| 受動性の排除 | 志望動機や面接の想定問答に「教えてもらいたい」「学びたい」という受け身の言葉がないか | □ |
| 研究室リサーチ | 志望する研究会の最新プロジェクト、担当教員の主著や論文の論点を把握しているか | □ |
| 自身の提供価値 | 自分が研究会に持ち込める「独自の問い」「現場の一次情報」「実践スキル」を言語化できるか | □ |
| 複数視点の融合 | 総合政策と環境情報の両面から、研究会を横断してリソースを活用するビジョンがあるか | □ |
| 半学半教の気概 | 面接官(教授)を「試問する審査員」ではなく「未来の共同研究者」として捉え、対話を楽しめるか | □ |
最後に:教授陣は「未来の研究仲間」を待っている

SFCの2次面接は、知識の多寡を競うテストでも、大人の顔色を伺う選考会でもありません。
百戦錬磨の教授陣が、「この人と一緒に研究室で侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を戦わせたいか」「自分の研究室に新しい風を吹き込んでくれるか」を真剣に見極める、未来の仲間探しの場です。
高校生だからといって萎縮する必要は一切ありません。あなたがこれまで自分の足で現場を歩き、悩み、考え抜いてきた独自の問いは、教授陣にとっても唯一無二の価値を持っています。
「教わる生徒」ではなく「未来の研究パートナー」としての覚悟と情熱を胸に、湘南藤沢キャンパスの面接室へ堂々と足を踏み入れてください。
あなたの挑戦が最高の対話となって結実することを、教務一同、心より応援しています!
KOSSUN教育ラボでは、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の総合型選抜(AO入試)に特化した対策を行っています。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
西村 成道(にしむら・なるみち)
KOSSUN教育ラボ 副代表。総合型選抜(AO入試)のプロ講師として1,200名以上の塾生をサポート。特に書類選考の通過率は通算96.4%と業界トップを記録。慶應SFCをはじめ、「評定不良」「実績なし」「文章嫌い」からの逆転合格者を毎年輩出。圧倒的な指導力と実績が受験生、保護者の間で話題となり、全国から入塾希望者が殺到している。著書、メディア出演多数。
■参考文献
本記事の作成にあたっては、以下の公式資料を参考にしています。
慶應義塾大学 総合政策学部・環境情報学部「2026 夏秋 AO 募集要項」
慶應義塾大学「KEIO UNIVERSITY GUIDEBOOK 2027 学問のすゝめ」


