
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)は、その研究成果を社会に広く還元し、対話を生み出すためのイベントを毎年開催しています。それが、1996年のSFC研究所開所以来続く、最大の研究発表イベント「Open Research Forum(オープン・リサーチ・フォーラム、通称:ORF)」です。
ORFは、大学の研究室に閉じこもりがちな最新の知見を社会に解き放ち、産業界、官公庁、自治体、そして一般の方々と共有する場です。それは単なる報告会ではなく、未来の社会を共に創るための、SFCの理念そのものを体現したプラットフォームなのです。
この記事では、SFCの知の祭典であるORFがどのようなイベントなのか、その目的や特徴、そしてSFCらしいユニークな企画について、公式サイトの情報を基に詳しく解説します。
ORFの核心 —「社会への還元」と「対話の場」
ORFの目的は、公式サイトに明確に記されている通り、研究成果を社会に一方的に発信するだけではありません。
- 社会への還元と外部評価: 進行中の最新の研究プロジェクトを広く紹介し、その成果を社会に還元すると同時に、外部の専門家からの客観的な評価を得ます。このフィードバックを次の研究計画に活かすことで、研究の質をさらに高めていくのです。
- 産官学協力関係の強化: 企業や自治体が抱える現実の課題と、大学の持つ先端的な知見を結びつける「出会いの場」でもあります。ORFでの対話をきっかけに、新たな共同研究や、学生のインターンシップ、ひいては新規事業の創出といった「産官学連携」の化学反応が生まれます。
ORFのコンテンツ:未来に触れる多様なプログラム
ORFでは、来場者がSFCの研究を様々な角度から体験できるよう、多様な形式のプログラムが用意されています。
- 展示(Exhibition): 各研究会やラボがブースを構え、研究内容をポスターや試作品(プロトタイプ)で紹介します。来場者は研究者(教員や学生)と直接対話し、デモンストレーションを体験できる、最もインタラクティブなプログラムです。
- セッション(Session): 特定のテーマについて、複数の研究者がプレゼンテーションやパネルディスカッションを行います。より深く、多角的に研究内容を理解するためのプログラムです。
- Pitch(ピッチ): ORFの中でも、SFCらしさが最も凝縮された名物企画が「Pitch」です。特設ステージに登壇者が立ち、スポットライトを浴びながら、自らの研究の魅力と情熱をライブ感あふれるプレゼンテーションで伝えます。従来の堅苦しい学会発表のイメージを覆す、自由で大胆な演出が特徴で、複雑な研究内容を誰にでも分かりやすく、そして面白く紹介します。
Pitchに見るSFC研究の無限の多様性
Pitchの登壇者とテーマを見れば、SFCで探求されている学問領域がいかに広く、そしてユニークであるかが一目瞭然です。過去の登壇テーマの一部を見てみましょう。
- 最先端テクノロジー
- 地球規模の課題
- 社会システムのデザイン
- 文化と人間の探求
注目すべきは、登壇者が大学教授だけでなく、学部生、大学院生、研究会そのものであるという点です。SFCでは、学生もまた一人の「研究者」として扱われます。学部生が自らの研究テーマについて、企業の専門家や他大学の研究者が集まる場で堂々とプレゼンテーションする。この光景こそ、学生を未来の創造者と捉えるSFCの教育理念を象徴しています。
学生にとってのORFとは?— 研究者として社会に立つ経験
SFCの学生にとって、ORFは単なるイベントではありません。それは、一年間の研究会活動の集大成を発表する目標の舞台であり、学生から「社会に貢献する研究者」へと成長するための重要なステップです。
自らの研究内容を社会に問い、企業人や専門家から直接フィードバックをもらう経験は、何物にも代えがたい学びとなります。その厳しいながらも刺激的な対話を通して、研究はさらに深まり、学生は社会における自身の研究の価値と責任を自覚するのです。
最後に
Open Research Forum(ORF)は、SFCの知的好奇心と創造性が一年に一度、爆発する場所です。そこは、未来のテクノロジー、新しい社会の仕組み、そしてまだ見ぬ文化が生まれる「創発の場」であり、SFCが社会と繋がる最も重要な接点です。SFCに関心を持つなら、ぜひ一度ORFに足を運んでみてください。未来が生まれる瞬間の熱気を、肌で感じることができるはずです。
KOSSUN教育ラボは、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の総合型選抜(AO入試)に特化した対策を行っています。受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
西村 成道(にしむら・なるみち)
KOSSUN教育ラボ 副代表。総合型選抜(AO入試)のプロ講師として1,200名以上の塾生をサポート。特に書類選考の通過率は通算96.4%と業界トップを記録。慶應SFCをはじめ、「評定不良」「実績なし」「文章嫌い」からの逆転合格者を毎年輩出。圧倒的な指導力と実績が受験生、保護者の間で話題となり、全国から入塾希望者が殺到している。著書、メディア出演多数。